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人が鳥を意識したとき、少しずつ変化する風景。場と物が持つ意味を想像しなおす。

狩野哲郎 KANO Tetsuro

狩野哲郎は展示空間に種子を蒔き育てる「発芽-雑草 / Weeds」で作家活動をスタートさせた。建造物の中で種子は発芽するのか、そしてそこからどんな風景が生まれるのか。狩野の作品は、観る者に他者の存在を意識させることで場の意味を一旦宙吊りにし、新たな可能性に気づかせるのだ。「自然の設計 / Naturplan」では他者として鳥が登場する。既成品を独自の造形感覚によって選び、組み合わせ、鳥のための空間を作り出すこのインスタレーションにおいては、場を構成する物やオブジェにも意識が向けられた。そして新シリーズ「野生のストラクチャ / Savage Structure」では、インスタレーションを構成する一要素であったオブジェの造形物としてのあり方に焦点が当てられる。本展ではその延長としてインスタレーション/オブジェの対比的な展示が試みられる。そして今回、狩野の作品は美術館という場の機能やルールをも俎上に載せる。

1980年宮城県生まれ。2005年東京造形大学造形学部デザイン学科卒業。2007年同大学院造形研究科美術研究領域修士課程修了。
近年の主な個展に、2011年「自然の設計 / Naturplan」(ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト、東京都現代美術館パブリック・プラザ、東京)、2012年「純粋な標識 / Clear signs, Vivid tones」(ハラ ミュージアム アーク、群馬)、2013年「あいまいな地図、明確なテリトリー / Abstract maps, Concrete territories」(モエレ沼公園 ガラスのピラミッド、札幌、北海道)がある。近年の主なグループ展に、2010年「吃驚 BIKKURI」(国際芸術センター青森)、「NEO-TOPIA ネオトピア」(秋吉台国際芸術村、山口)、2012年「呼吸する環礁-モルディブ-日本現代美術展」(モルディブ国立美術館、サルタン・パーク 、モルディブ)、「庭をめぐれば」(ヴァンジ彫刻庭園美術館、静岡)がある。

KANO Tetsuro
1980 Born in Miyagi, Japan,
2005 BA, Environmental Design/City Environmental, Tokyo Zokei University
2007 MFA, Fine Arts, Tokyo Zokei University

http://www.tkano.com/

  • 自然の設計|Naturplan|2012|Photo: Kenji Morita|Courtesy of the artist and YUKA TSURUNO GALLERY

  • 野生のストラクチャ|Savage structures|2013|Photo: Yosuke Takeda|Courtesy of the artist and YUKA TSURUNO GALLERY

  • 野生のストラクチャ|Savage structures|2013|Photo: Yosuke Takeda|Courtesy of the artist and YUKA TSURUNO GALLERY

  • あいまいな地図、明確なテリトリー|Abstract maps, Concrete territories|2013|Courtesy of the artist and YUKA TSURUNO GALLERY